はじまり

私は車が大好きでした。18歳で免許を取得してからというもの、大学も車で通学したほどの人間です。当然、オートマ車など車と認めないほどの車好きでしたが、38歳を過ぎた頃から仕事で遠出するたびに疲れがたまるようになってきてしまいました。そこでやむなくオートマ車に乗り換えることにし、私のマニュアル車時代が終わりました。
私にとって車は便利だし外出時の足には必要不可欠なものです。ところが近年、友人との会話の中で自分の親が75歳を超えているのに運転していて心配だという話が出てくるようになりました。事故でも起こされたら大変だというのです。でも、なかなか運転を止めません。免許を返還させるにはどうしたらよいかというのです。確かに、現実では80歳を過ぎても運転している方が多くいます。人生の最後になって、もし交通事故を起こしてしまったら…と創造して背筋に寒いものを感じるのは私だけではないと思われます。

現に茨城県警古河で起きた事故:
国道4号をワゴン車で走行中、女性をはねて逃走。通行人が歩道で倒れている女性を発見し、「年配の女性が倒れている」と110番した。逮捕された容疑者は71歳だった。
罪状:自動車運転過失致死と道交法違反(ひき逃げ)

人生が終わろうという時期になっての交通事故です。
今後も、このような悲惨な事故が増えるのではないかと懸念した出来事でした。私は被害者にも加害者にもなりたくありません。

株式会社 マネジ メントシステム
鴫原育子

見え鉄を作ったんだよ!

「どういうサイト?」
「地図上に電車が走っているんだ。その電車、実際の時刻表通りに走らせたから現実の電車も地図と同じ所にいるんだよ」
「え、面白いね!バスも見えるの?バスは時刻表通りに来ないからそれがあると便利だね」
「バスはやっていない。だって、バスは時刻表通りでないから現実のバスの位置と違ってしまうからね」
「なーんだ。今はバスがいつ来るか分からないからバスに乗れないんだよ。何とかならないの?バスが今いる場所を表示してくれるだけでいいから」

「GPSを使えば可能だけど…」
「じゃあ作ってよ。そうしたらバスに乗りやすくなるしね!」

そうだ、見えバスを作ろう!

バスが今どこにいるか分かったら便利だなぁと気づきました。もしかしたら、バスに乗る人が増えるかもしれない。そこまでいかずとも、バスに関心を持ってもらえるかもしれないと考えました。見えバスを使うことでバスの運行が維持できるかもしれない…。

現在はバスダイヤや路線が毎年減少しているので、このままだと団塊の世代が75歳~80歳を迎える10年後~15年後に移動の手段が車しかなくなってしまう・・・。何とかバスという公共の足も確保しておきたいと強く思いました。

「思っているだけじゃダメだ。自分もできることから変えていこう!」
そう思い、見えバスの開発へと向かったのでした。

GPSってちゃんと現在位置を示すのかな?~茨城高専へ~

茨城工業高等専門学校電子制御工業科の岡本先生がGPSのことに詳しいという情報が入り、早速岡本先生の元へ訪ねました。岡本先生からGPSの技術的な話を聞くことが出来ただけでなく、機材も貸していただけること、実験に学生の手伝いとして出して頂ける等のありがたいご提案を頂き、とても感謝しています。

見えバス開発、茨城大学と共に

見え鉄を茨城大学都市システム工学科/広域水圏環境科学教育研究センターの柔原先生にお見せしたところ、「これは面白い!」ということになり、その見え鉄サイト上に計測データも一緒に表示しよう、という話にまで発展しました。どうせやるなら…と茨城大学に入学。茨城大学では、どういう作りをしたら利用者の利便性が上がるかを研究することが出来ますし、意見を広く集めることもできる。そういう環境に自らを置くことで利便性の良いアプリの開発をとことん追求し制作を進めることにしました。

どういうアプリにしたら使いやすいだろうか?

茨城大学に入っての一年目、バス搭載機とバス利用者向けアプリの仕様をまとめ、実際の開発に取り組みました。それと同時に日立市青葉台・堂平路線バス検討会議に出席するチャンスを頂き、同時期にバスの検討に参加。そこでも、「バス停でバスが来るのが分かったら良いのに」という意見が何回も出て見えバスの重要性を強く感じたのでした。

国も公共交通の政策を強化!

平成26年度の国の予算に占める公共交通関連の比重が高くなるような気配。今後の高齢者社会を見据えると、移動の足としての公共交通は今以上に大切になる。その中でも、バスの需要は必ず高くなるものと思われます。
団塊の世代が免許を返還するまで、これからの10年、15年が勝負になると考えました。まだ時間はあるけど今から始めなくては間に合わない。そんな思いが見えバス開発の原点になったのです。

論文「利用者位置から検索する バスナビゲーションシステムに関する研究」

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